『ホテル・ルワンダ』は見よう見ようと思いつつまだ観ていない。
興味があるがしかし話のヘヴィさに立ちすくんでしまう、ということがよくあって、こちらの調子が整った頃に……と思っているうちにタイミングを逃してしまうという奴だ。
映画の原作ではないが、映画公開後にモデルとなった支配人が著した『ホテル・ルワンダの男』を読んだ。
- 作者: ポールルセサバギナ,堀川志野舞
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2009/02/28
- メディア: 単行本
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著者自身、高等教育を受けていたおかげもあるのか一環して知性的であり謙虚である。そうしてまた、虐殺から逃れホテルに匿われた人々を救うため、時には虐殺実行者達とも交渉する姿勢というのは老獪であり狡猾でもある。正義を執行するためには、清廉潔白というわけにもいかないのだ。
本書の中で著者は「言葉」というものの重要性を幾度も繰り返す。
「言葉」そのものによって自身が救われ、そして数多の命を救った経験からくる重みがそこにはある。
人類の兵器庫の中で、言葉は命を奪うのに最も効果的な武器である。だが、言葉は生きるためにも強力な道具となりうる。その両方をかなえることができるのは、言葉だけかもしれない。(P.18)
私たちは、「言葉」の力を使いこなせているだろうか?あるいは「言葉」の力に振り回されてはいないだろうか?