数年前に旅行で沖縄に行ってからというもの、ペリリュー、硫黄島、沖縄といった上陸してきた米軍とそれを迎え撃つ日本軍の血みどろの戦いというものにどういうわけか興味を惹かれてしまい、機会があれば日米に拘らず本を手に取り読むことにしている。
正月休みとはいえこれといってやることもなく、近所の書店を冷やかしていたら本書が平積みされていたため手に取り読んでいた。
本書は、当時海兵隊第一師団の兵士として参戦していた筆者による手記である。*1
前線の兵士の眼差しから書かれているため、当然にミクロなーー直接的な生命のやり取りの記述になる。そうしてまた、明日をもしれない身であるからなのか奇妙に澄んでいるというか、(前線に参加していた兵士の書いたものとしてみた場合)敵味方に対してフラットな描かれ方をされているように思えてくるのだ。
ペリュリーにせよ沖縄の戦いにせよ、米軍の海兵隊はすり潰されるような戦いをしていた。それを迎え撃った日本軍は「ような」どころではなくすり潰されてしまった。
もうすぐ「二つ前の元号の時の出来事」になりつつあるけれど、この戦いの帰結として残された課題は、未だ残されたままのような気がしている。
*1:ドラマ『ザ・パシフィック』の原作にもなったそうだ