病院内におけるヒエラルキー、あるいは院内SEの地位の低さというもの
・はじめに
底辺のSierとして……精一杯よく言えば「二次請け以下のもの」として、悪く言えば「IT土方」として業界をうろついていたのだけれど、何の運命のいたずらなのか病院で院内SEとして(つまりは一般企業で言うところの「社内SE」、情報システム部門の社員として)仕事をするようになっていた。
入ってみると外から見るとは大違いとはよく言ったもので、ことIT(あるいはICTというべきか、あるいはまたITリテラシーというべきか)において、病院という組織は一般企業よりも10年程度遅れている。
そんな中での悪戦苦闘の記録を残せていければと思う。
・直接部門と間接部門
どんな会社組織でもそうであると思うが、情報システム部門というのはコストセンターである。お金を生み出す部署ではない。組織というものはお金を生み出す部門が強い。それはある意味当然というものだ。
さて、病院における主力部門、お金を生み出す部門とはどこか?
当然、医師である。医師がいなければ病院は何もできない。法律にもそう書かれている。
というわけで、病院において医師の要望は再優先で処理される。
医師というものは、「組織」というものにあまり愛着を持っていない。
どこの病院で仕事をしていたとしても、根っこの部分では「医局」に所属しているのだ、という思いがあるのかもしれない。かなりイージーに退職してしまう。
だから、というわけではないが、そんな医師たちを引き止める為にも病院側はかなり医師に対して譲歩するのだ。
・病院内のヒエラルキー
さて、前述した通り、病院におけるトップは医師である。
医師がいなければ医療ははじまらない。
では、病院におけるヒエラルキーとはどのようになっているのか?
あるいはあなたはこのように考えるかもしれない。
医師>看護師>その他医療スタッフ(技師など)>事務職
あるいはこうだろうか。
医師>薬剤師>看護師>その他医療スタッフ(技師など)>事務職
いずれも(医師の視点からは)誤りである。
医師たちはおおむね次のように考えている
医師>その他医療スタッフ(薬剤師、看護師、技師など)>事務職
ところで最近、医師たちはこのように考えているのではないか?と思えてきた。
医師>その他医療スタッフ(薬剤師、看護師、技師など)>事務職>院内SE=出入り業者
俺たちがいないと電子カルテも使えないんだからね・・・・・・めーるもいんたーねっともつかえなくするからね・・・・・・
そんな矜持を抱きつつ、われわれは今日も仕事をする。